超精密にエネルギーを測る

ASTRO-Hの挑戦 ASTRO-Hのしくみ

超精密にエネルギーを測る マイクロカロリメーター

マイクロカロリメーターというのは、X線が素子に当った時にごくわずかに温度が上がることを利用して、エネルギーの強さを測る装置です。日米が共同で開発し次世代のX線天文学を担う新しい観測装置として非常に期待されています。マイクロカロリメーターを使うと、入ってきたエネルギーの量、つまり波長を非常に細かく測る事ができます。これにより、観測対象のX線天体の温度や組成などを非常に精密に計測することができるようになります。また、運動する物体の波長がずれて見える「ドップラー効果」を利用して、対象の天体の動きを知ることができるという、これまでX線の波長では得られなかったデータを得ることができるようになります。

マイクロカロリメーターの原理はとてもシンプルです。物質がX線を吸収すると持っていたエネルギーが熱に変わります。これは光が当るとものが暖かくなるのと同じ現象。この温度変化を計測することでエネルギーの量を測るのです。とはいえ、星からやってくるX線はごくわずかで、その温度上昇はあまりに小さいため、検知するためには装置を絶対零度近くまで冷やさなければなりません。もちろん、温度計も極めて感度の高いものが必要になります。

ASTRO-Hに搭載されるものとほぼ同じマイクロカロリメーターが2005年に打ち上げられた「すざく」にも搭載されていました。しかし、冷却に必要な液体ヘリウムが打上後に抜けてしまうという不具合が起き、残念ながら観測を行うことはできませんでした。ASTRO-Hではこの教訓を活かして、より信頼性の高い設計に改め、世界で始めてマイクロカロリメーターによる観測に挑みます。

(左)カロリメーターの概念図、(右)カロリメーター

(左)カロリメーターの概念図、(右)カロリメーター

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