微小擾乱試験

13年3月のほぼ一ヶ月をかけて筑波宇宙センター 総合環境試験棟の 特性試験室にて微小擾乱試験を行いました。ASTRO-Hにはセンサ冷却用の 冷凍機や姿勢制御用のジャイロ、リアクションホイールなど、機械的な 微小振動を引き起こす装置が搭載されます。 これらの装置が発生させる微小な振動によって、望遠鏡が捕らえた天体のX線像 がぶれたり、観測センサの性能に影響を与えないかを調べるため、擾乱源となる装置の 実機や模擬擾乱源を実際に動作させ、衛星の各点(望遠鏡や観測用センサ90箇所程度) に発生する加速度等を測定しました。

微小擾乱の影響を正確に評価するためにはフライト相当の機械特性を持つ供試体 が必要です。TTM試験と同様、主要な構造体はフライトモデルそのものを用い、 一部のミッションセンサや搭載機器などはフライト相当の機械特性(質量、重心位置) をもったダミー機器やEM機器を搭載します。今回の微小擾乱に向けては供試体の集結、 衛星各部の組み上げから、初期アライメント計測を経て試験のコンフィギュレーション を作るまで2ヶ月以上を要しました。

ASTRO-Hは指向精度要求が厳しいため、微小擾乱試験では重力加速度の1/1000程度の 加速度を測定する必要がありました。ほんのわずかな振動も測定に影響を及ぼすため、 試験中は衛星を天井から吊り、空調を停止し、人払いをして必要最低限の人のみが計測に 参加する様にしました。特に慎重な測定が必要なケースでは夜間に測定を行い、同じ建屋 で行われている他の衛星の試験の影響を受けない様細心の注意を払って試験を進めました。 1ヶ月間という限られた日程、試験時間、物的人的リソースの制約のもと、 試験の目的を達成するため、日夜議論を重ねて必要な試験ケースを厳選して 試験を行い、質、量共に十分なデータを得ることが出来ました。 2013年4月現在、試験結果の詳細解析を行っているところです。

 

試験中にクレーンで吊られた状態のASTRO-H衛星 の写真

試験中にクレーンで吊られた状態のASTRO-H衛星

 

軟X線分光装置(SXS)の冷却装置に接続された地上支援装置群 の写真

軟X線分光装置(SXS)の冷却装置に接続された地上支援装置群

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