HXTハウジングのベーキング

工作部品などはその製作過程で潤滑油などの機械油を用いますので、いろんな有機物の汚れが付着しています。素手で触ったときに付着する皮脂なども汚れとなります。もちろん、素手では触らないようにしますし、使う前に部品ごとの洗浄もしますが、それでも取れない汚れが残ってしまいます。真空となる宇宙空間では、これらの汚れがどんどん揮発します。そして、揮発したものは周囲にある、もっと冷たいものの表面にくっついていきます。これが検出器や反射鏡の表面についたりすると困ったことになります。そこで、衛星に搭載するものはほぼすべて、真空中で温めながら長時間置き、汚れを十分揮発させてから使用します。この作業をベーキングと言います。

写真は宇宙科学研究所で行なわれた硬X線望遠鏡のハウジング(反射鏡を収める容器)のベーキングの様子で、真空チェンバーのなかにハウジングが置かれています。この後、扉を閉めてチェンバー内を真空にし、望遠鏡を温めて長時間置きます。これが終了すると、いよいよ望遠鏡の組み上げです。

このページのトップへ